「みやぎ農業見聞のつどい・夏」を開催しました

 
~新規就農希望者10名が、農業法人・先輩農家を訪問!
 
 去る、7月2日(土)、当公社と宮城県、県農業会議、JA宮城中央会の共催による「みやぎ農業見聞のつどい・夏」を開催しました。
 新規就農を希望する10名(男7名、女3名)が参加し、先輩農業者のほ場を訪れ、熱心に視察研修や意見交換を行いました。参加者は、10代が1名、30代が7名、40代2名。県外からも東京都や茨城県から4名の参加がありました。
 開催状況の一部を紹介しますので、是非、あなたの就農計画や農業スタイル検討の参考にして下さい。
   
◎視察園1 岩沼市 徳田 伸さん(東京都出身) 視察園概要は → こちら
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~脱サラ・移住・二度の新規就農
・就農8年目で、震災に遭い、3年前に新たに農地を取得し再スタート。ようやく軌道に乗ってきたところ。
・農地探しが、一番苦労した。最初の就農は、名取市の沿岸部に近い北釜地区でチンゲンサイ団地の空きハウスを
 借りてスタート。
 住所と営農地の市町村が違ったので、手続きに苦労しました。
 一方、砂地でのダイコン葉栽培で順調すぎるほどだった。
 生育が早く、年7回転が可能。がむしゃらに働いた8年間でした。
・震災で一転。途方にくれていたときに、住んでた地域の農業委員さんから声をかけていただき、現在の露地畑を
 紹介していただいた。
 当時は、移転住宅先を検討中で農地探しが難しい時期で、非常に感謝しています。
 ハウスのある土地は、岩沼市の農業委員会で紹介していただき、借地では何かあった時に移転しなければならな
 いため、購入してハウス9棟を建てました。トラクターなども入れ約900万円を投資。
・人生には、想いもよらない出来事に遭遇する。大事なのは、
  「あきらめない心をもって、やり抜く覚悟が大切!」
  「栽培も販売も簡単ではない。目標と課題を明確にして、どうすれば良いか考える。創意工夫が必要です」
・再スタートして、3年目。ようやく震災前の規模に戻ってきた。
 土地が変わると土質も変わり、周囲の環境(畑か水田か)により発生する害虫も変わる。
 常に新しい対応が必要なのが農業生産です。
  
 
◎交流会 ゲストを迎えて (ゲスト 岩沼市 郡司 美由紀さん(福岡県出身))
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~テーマ「新規就農準備・私の今やるべきことは?
 視察農家や参加者の皆さんと交流しながら。一緒に考える時間を持ちました。
 
・ゲストの郡司さんは、大学進学で仙台に。卒業後は、14年間児童館に勤務。
 そこで、子供達と畑いじりをするうちに、どんどん農業への夢が膨らんでいきました。
・30歳半ばで、農業を志し宮城県農業大学校に入学。学生時代に市内の農業法人で1ヶ月の農家研修を経験。
 さらに2年次には、ニューファーマー・カレッジを併行して受講。
 この時に就農支援資金(研修資金)を借りたので、1年以内の就農が要件でした。
 農業大学校でアルバイトをしながら探しているときに、職場の農家さんから紹介され就農しました。
 就農した8月に、応援してくれた夫を病気で亡くし、呆然としていたときも、ニューファーマー・カレッジの仲
 間がハウス建てを手伝いに来てくれ、営農を続けることができました。仲間にとても感謝しています。
 
※徳田さん、中山さん、郡司さんともに、みやぎインファーマー連絡会の会員です。
 連絡会は、就農希望者の方の見学やアドバイス、困ったときの助けあいを目指すネットワーク組織です。
 
   
◎視察園2 柴田郡村田町 中山 建さん(仙台市出身) 視察園概要は → こちら
 
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~無農薬・無化学肥料、固定種・在来種・希少種、少量多品目販売!
・有機栽培。「無農薬・無化学肥料、固定種・在来種・希少種、少量多品目栽培」
 自称「雑草農法」!
・非農家で、大学卒業後、会社に5年勤務後、就農を志す。
 「見聞のつどい」に参加し、村田町の鹿股氏の「ボンディファーム」で1年間の研修後、就農する。 
・販売は、対面販売を重視。できるだけ宅配で対応。イベント販売で顧客の拡大を狙っている。
 WEBやパンフレット、名刺は、非常に重要。顧客の確保に活用している。
・農業を開始する前から「せんだい食農ネットワーク」に加入。現在、副代表を務めている。
 人々の「命・健康・環境」を見据えて「安全で質の高い食材の生産・提供」を目指し、生産者と消費者の交流を
 行っている。
 この活動が、農業を実践する上でのモチベーションの維持につながっている。
・初期投資は、足で情報をとり機械・設備類の整備を行い、できるだけ少なくする努力をした。
 そのためにも、研修地=就農地がベスト!
 農地探しも農業委員会へ自己紹介資料を配付して協力を依頼した。信用を得れば、農地はたくさん集まる。
 自己資金は、最低300万円。できれば400万円は準備が必要。
・家族の理解と協力も不可欠。
 まず妻と両親にプレゼンをして理解と了解を得た。皆さんも是非トライしてください。
・就農のポイントは、何よりも「農業関係の知り合いがいないと困る!」
 同じ農業の仲間や先輩、地域の4HCなど人との繋がりが大切です。
・農業を目指す際の注意点
  ①消去法で農家にならない。
  ②晴耕雨読を夢見ない。
  ③社会人経験を積む。
  ④起業のためにお金を貯める。 以上。皆さんも、是非トライを!
 
 参加者の皆さんは、「お金はありませんが、やりたいことを仕事にして毎日充実しています」と、生き生きと農業の話をされる先輩者の皆さんに、大いに刺激を受けたようでした。今回の「つどい」が自分の農業スタイルの決定や経営計画のヒントになり、就農への道の一助となることを願っています。
 
お問い合わせ先

担い手育成班 :岩渕
 TEL:022-275-9192

 
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