「みやぎ農業見聞のつどい・秋」を開催しました

 

~新規就農希望者16名が、農業法人・先輩農家を訪問!

 去る、10月31日(土)、当公社と宮城県、県農業会議、JA宮城中央会の共催による「みやぎ農業見聞のつどい・秋」を開催しました。
新規就農を希望する16名(男10名、女6名)が参加し、先輩農業者のほ場を訪れ、熱心に視察研修や意見交換を行いました。参加者は、20代が3名、30代が6名、40代7名。県外は、神奈川県からも参加がありました。
 開催状況の一部を紹介しますので、是非、あなたの就農計画や農業スタイル検討の参考にして下さい。

    
◎視察園1 山元町 (株)一苺一笑 佐藤拓実社長 視察園概要は → こちら
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・地域への熱い想いを胸に、「いちご産地」の復興に取り組む。
 若い自分たちが取り組まなければ・・・。
・一人ではできない人々がいた。グループで取り組む。法人化へ。
・雇用面からも作業の平準化が必要。定量出荷。
 売上の無い月も経費はかかるので、資金繰りが非常に重要。
 出荷のない時期の収入源として、加工や他品目の導入もおこなっている。 
・施設も栽培方法も一新。新しいスタイルでのスタート。
 生育ステージや気候の変化に対応した栽培管理が必要。
 →記録が重要・改善→従業員への周知徹底へ。
  ※データーに基づいた説明は、従業員も納得して作業を行える。
・土地の選定は、水質に注意。また、あまり高性能の濾過器もミネラルまで取り除くので要注意。
・育苗も、リスク分散のため、2通りの生産体制で行っている。
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◎視察園2 村田町沼辺 永谷 直 さん 視察園概要は → こちら
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・有機無農薬栽培。完熟鶏糞利用。
・仙台市出身。非農家。研修先の村田町で、農地と空き家を見つけ移住。
 無農薬栽培のため、周囲の畑の影響が少ない場所を選んだ。
・農業は、予想しない災害等で、全滅することもしばしば。
 猛暑の夏に続き秋の大雨で播種したばかりのダイコンが流されてしまったりイノシシに食べられてしまったり。
・地域の暮らしを楽しみながら、有機の良さを広めながら、販路を広げていきたい。
・就農開始時には、生活資金として、自己資金300万円程度は必要。
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◎視察園3 村田町薄木 佐藤 民夫さん 視察園概要は → こちら
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・農業技術の「匠」に紹介された“ブロッコリーの老化苗”活用技術の紹介
 →堅くなり虫も食べない。自分の都合にあった定植が可能。
・野菜の産地の端境期や地元の出荷限界(早出し・遅出し)を知る。
 (自分で試作して確認。)
・コスト低減には、農薬を減らす工夫を。健康な作物を作る。
 作物で必要な肥料成分も変わる。肥料は必要。さらに、省力化にも結びつく。
・草は取らないですき込む。作物だけ枯れない除草剤を使う場合もある。
 除草剤は、土に分解されるものもあり、安心して使用できる。
・畑の選び方は、土質や方角で作物を決める。里芋は北向き。
 早出し・遅出しは、南側。など。
・TPP→農業をやる人がいなくなる。→だからやる。
・直売所は、スーパーに無いものを求めて来る。品種を選ぶ。自分のブランドを作る。
・無化学肥料無農薬は、安定生産に時間がかかる。
 収入確保の作物と組み合わせ、徐々に拡大することが良いと考える。
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 参加者の皆さんは、三者三様の経営を拝見し、経営を考える視点や経験からくる自信を持ったお話に「びっくり!」。これまでの自分がイメージした農業との違いに、大いに刺激を受けたようでした。
 アンケートでは、「就農というのは、“気力・体力・根性”のイメージでしたが、もっと自由でアイディア次第でいろいろな可能性を持った職業だと思った。」などの声が聞かれました。

  

お問い合わせ先

担い手育成班 :岩渕
 TEL:022-275-9192